子どもにどんな言葉かけをしていますか?~潜在意識の特徴「ない」がわからない

私たちは

普段頭で考えて「こうしようと」決めたことを

行動に移しているようですが、

実は私たちの行動は

「潜在意識」に導かれています。


人の意識は潜在意識が90%以上を占めているといわれていますので、

頭で考える顕在意識を圧倒的に上回っています。

潜在意識にはかなわない。


潜在意識には

「『ない』がわからない」

という特徴があります。


たとえば就学前の年齢の子どもに

「このコップ運んでね」

と頼んだとき、

「落とさないでね」「落とさないのよ」

と言葉をかけたことはありませんか?


もしくは

子どもが運んでいる姿が危なっかしく感じたとき、

「あ~~落とす~!」とか「あぶな~い!」

と言ってるとか?


それを聞いた子どもはどうなるでしょう?


…コップを落としますね。


それを見て

「ほらやっぱり落とした~」

「だから『落とさいで』って言ったでしょ!」

「アナタはいつも落とすから…」

とさらに言う。


・・・これは「当然の結果」

と言えるでしょう。


「潜在意識は『ない』がわかりません」から、

「落とさないで」

と言われても理解することができません。

「落とす」という言葉に

焦点が当たってしまうのです。

結果「落とす」

これは当たり前ですね。


そして

「やっぱり落とした」

「あなたはいつも落とす」

と言われれば

それが刷り込まれ

「次も落としやすくなる」

のです。


また落とすことがあれば

また「やっぱり落とした」

と言われ

「自分は落とすんだ」

「やっぱり自分は落とした」と

どんどん強化される・・・

といったことになります。


これが潜在意識にしっかり入ってしまいますと

「何かを運ぶとき自分はよく落とす」

という思い込みがつくられ

いくら「落とすまい」と10%に満たない顕在意識が思っても

90%以上の潜在意識には勝てず、

思い込みが行動に影響しますから

結果、大人になっても実際「よく物を落とす」

ということになる可能性がありますね。


ですので、

小さい頃から子どもにかけてあげる言葉は

否定語を使わず

その子が「具体的にどうしたらいいのかがわかる言葉」

がいいです。


この場合は

「両手で持ってね」とか

「ゆっくり歩いてね」とか。

そしてできたら

「両手で持てたね」

「ゆっくり歩いたら運べたね」

というところを強化するような言葉を選ぶ。


これを繰り返して

いいイメージを刷り込む。


「ない」がひとつの文章に二つ入ったときには

子どもは大混乱します。。。

「オモチャを片付けないとごはん食べられないよ」

なんて言われたら子どもはわかりません。


「このオモチャ片付けてから、ごはん食べようね」

と肯定の言葉を使うと、理解できる。


一事が万事です。

大人も同じ。

「焦らんとこう」

と思っていると、「焦る」に焦点が当たります。

「落ち着こう」は一見肯定的な言葉に思えるけれど

「自分は今落ち着いていない」という暗示が入ってしまいますので

これも逆効果。


場面にもよりますが

もし仕事で次々やることが押し寄せているときなら、

「ゆっくりやろう」とか

(早くやってるつもりでも、作業ペースはさほど変わらないもの。急ぐとかえってミスにつながってやり直しということも)

「今はこの作業に集中しよう」など

実際に今自分がやることを

「ない」を使わずに肯定の言葉を使って言うようにするのがいいです。


あそび感覚で、

否定語を使わず肯定的な言葉に言い直すクセをつけていくと

これまでの世界や環境がグンっと変わってきますよ♪



子どもが育つ 保育・療育

ひとりひとりの子どもの「内面の育ち」を大切にした発達支援相談と、その子どもたちと日々関わる保育者がいいコンディションでいられるようサポートをおこなっています