【発達:ことばの育ち】ことばの根っこを育てたい

ことばは、その物の名前が「言える」ことではなくて

その物を大人と共有しながら気持ちのやり取りをすることで

内面がともなったものになっていきます。


本の絵ではなくて

「フワッと顔に風が当たった」とか

「ワンワン犬に吠えられた」

という実際の経験が、子どものこころを育てます。


こころ動く経験と、それを「伝えたい!」相手がいることで

言葉がより豊かに育っていきます。


0歳後半から1歳ころにかけて

このやり取りが大人との関係で豊かに積み重なっていくうちに

「指さし」が出てきます。

「言葉の前のことば」と言われるこの指さしがあるかどうか、

めっちゃ大事です。


指さしが出るってことは

・「あ!アレ見つけた!」とこころが動いている

・それをそばにいる大人に「伝えたい!」という気持ちが育っている

・「ホントやね~。〇いたね~」と他者と気持ちを通い合わせている

ってことですからね。


人が人として生きていくとき、

大事になってくるのは「他者との関わり」です。

大人になってからも悩みのほとんどは人間関係といっていいぐらい。

なので3つめの「他者と気持ちを通い合わせる」というのはとても大事で

このちからを育てるのには「ホントやね~。〇だね~」という

「大人の共感力」と「受け止め力」

がカギになるんです。



前置きが長くなってしまいましたが…

こうして言葉を獲得していく成長の道すじは、

障害があるなしにかかわらずみんな同じです。


自閉症で言葉が出ない

というお子さんも

たくさん散歩に出かけて

「今日も暑いね~。おひさまギラギラしてるね~」

「あ、木陰に入ると風が涼しいね~」

「セミがあんなところで鳴いてるよ」

…いっぱい会話を楽しみながら気持ちのやり取りをしていくと

指さし、出てきますよ!


大人が話した言葉を言うようにもなります。

やり取りをもっと積み重ねたら

二語文、三語分…になって育ってきます。

たとえ出る言葉が少なかったとしても

こころが育っていると目や表情で訴えてくるようになりますので

何が言いたいのか大人側もよく受け取れるようになります。


気持ちのやり取りができると

お互いの関係がとてもスムーズになりますよね。



☆気持ちにゆとりをもって子どもに接することができるためにも

まずは大人がご機嫌でいられる工夫をしよう



子どもが育つ 保育・療育

ひとりひとりの子どもの「内面の育ち」を大切にした発達支援相談と、その子どもたちと日々関わる保育者がいいコンディションでいられるようサポートをおこなっています